練る
練るという、
ひたすらの
仕事。
松田権六さんの
「うるしのつや」の中に、
モーターでなら三十分でできるものを、
兄は一日がかりでこねくりまわしている。
ずい分無駄なことだと思っていたが、
後に経験を積んでくると、
機械と手とは大違いなことがわかった。
手でゆっくり練ると、漆の中の有機物と
無機物がすっかり交じり合う。
そうして練った漆は、
つやがありきめも細かく
盛り上がりも高く盛ることができる。
機械の方はただかきまわすだけで、
練ったことにはなっていないから、
漆の乾きがわるかったり、つや、
肉もちが劣っていたりするのだった。
結局、手間どるようでも兄のような昔からの
やり方の方がかえって理論的、
合理的なことがわかったのである。
と、書かれている。
練る仕事は、
ただ、
手で練り続けるという、
シンプルな仕事。
その練っている漆に
自分が映り込むほどである。
この写真は、
わかりにくいのですが、
光を写し込んだ写真です。
うるしのつや、
なんとも言えない
美しさがある。
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